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2006年

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2006年12月13日 第7号 https://fmic.jp/

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FMICはJMAC(日本能率協会コンサルティング)とドイツのIMIG社による戦略的合弁企業として設立されたコンサルティング企業です。企業の成長 戦略デザインとその実現化プロセスをサポートします。

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~未来開発経営/戦略デッサンノート(6)~
「未来のために協力する」
                               FMIC 大岩和男・岩崎壽夫

未来開発経営の基本コンセプトは「未来は来るものではなく創るもの」です。
前回は未来開発経営における「絵空事無くして成長無し」について紹介させていただきました。今回は、未来開発推進に関連して「未来のために協力する」ということについて、ある事例を通じて、考えてみたいと思います。
類の選択」(ダイヤモンド社、ドネラ・H・メドウズ他著)は一貫して、経済の成長と地球環境破壊について体系的なデータをもとに警告を発信しています。同書の第5章では警告ではなく、人類が取り組んだ協力の成果についての紹介がされています。

以下。同書からの抜粋、一部加工・・・・・

ある重要な限界を超えてしまったが、その結果をみて、苦労しながら人間の活動を持続可能なレベルに戻すことに成功したという示唆に富んだ物語を紹介しよう。その限界とは、成層圏のオゾン層が人間の作り出したCFCクロロフルオロカーボン(フレオンという商品名で知られる)を吸収する能力の限界である。この物語が完結するためには、少なくとも、あと数十年はかかるだろう。しかし、それでもいままでのところは、この物語に希望を見出すことができる。
人間や制度が持つ欠点や弱点にもかかわらず、世界全体で協力し、解決策を考え、実行できることがわかるからだ。

オゾン層が失われつつあるという警鐘を最初に鳴らしたのは、科学者たちだった。そして、科学者たちは政治的な境界線を越えて、効果的な調査に取り組んだ。それができたのは、自分たち自身の狭い視野を広げ、経験の無かった政治プロセスにも踏み込んだからである。消費者はすぐに被害を食い止めるため、組織的な活動を始めた。しかしそれだけで、問題を解決することはできなかった。政府や企業は当初は問題を認めず、行動をためらっていた。しかし、やがてそのなかから、私利私欲に走らない勇気ある指導者たちが登場し、行動し始めた。一方、国連は、各国政府が国際的問題に取り組もうとする際に、重要な情報を各国に伝え、中立的な話し合いの場を提供し、たくみな推進役を務めた。発展途上国は、必要な技術支援が確約されるまでは協力しないと訴えることで、自分たちに新しい力を見出した。

最終的に、世界の国々は自分たちが重大な限界を超えてしまったことを認めた。そして、不承不承ではあったが、収益性の高い有用な工業製品をあきらめることに合意した。産業界ではCFCの放出を減らし、代替物質を探すために様々な解決策が考えられている。こうした行動は、経済や生物、人間に対する被害がまだまったく見えておらず、100%の科学的確証も得られていない段階で始まったのだ。おそらく、手遅れになる前に行動できたのである。

ここから、どんな教訓を学びとれるだろうか?我々が学んだ教訓を次に挙げる。
①重要な特性を“定期的にモニタリング”し、迅速に、素直に報告すること
②国際規模で政治的意思を“喚起”することは可能である
③国際合意を形成するためには“予測と意思”の両方が必要である
④人も国も“完全な”知識や科学的証拠がなくても行動できる
⑤世界政府は必要ないが、協力のための“話し合いの場”が必要である
⑥科学者も技術者も、政治家、企業、消費者も「そうすべきだ」と思ったら即座とはいわないまでも、“早急に対応する”ことができるものだ
⑦技術革新や社会革新がきっとできないと思って“問題が誇張”される傾向がある
⑧すべてが理解できない段階で協定をつくる場合は“柔軟性”を持たせる
⑨問題は“継続”しており、定期的なモニタリングが必要である
⑩あらゆる“当事者”が重要であり、今後も全員の“協力”が必要である

以上、「成長の限界・人類の選択」(ドネラ・H・メドウズ他著)からの抜粋です。この事例は、オゾン層問題に限らず、すべての地球的規模の課題に対して、私たち一人一人が地球人として、どのように行動すればいいかを教えてくれます。また、それほど大きな課題ではなくても、日々の企業活動に おいて、私たちは、どうしても目先の課題に集中しがちです。また、未来開発 の困難な課題からは目をそむけてしまう傾向があります。同書で提起してくれ た10の教訓は、未来開発経営における課題解決のための協力体制は、どうある べきかというヒントを提供してくれているようにも見えます。年末のあわただ しい日々が続きますが、ちょっと立ち止まって、未来開発課題とそのための 協力体制について考えてみたいと思います。

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◆◇◆編集後記◆◇◆?
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海外送付用のクリスマスカードに使用するため、2006年に撮ったFMICメンバー の写真を見てみました。懐かしい写真を見ていると、1年経つのは早いものだ と、感慨にひたってしまいます。飲んでる時の表情が輝いて見えるFMIC メンバーでありました。?

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