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2007年

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2007年02月27日 第12号 https://fmic.jp/

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FMICはJMAC(日本能率協会コンサルティング)とドイツのIMIG社による戦略的合弁企業として設立されたコンサルティング企業です。企業の成長 戦略デザインとその実現化プロセスをサポートします。

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~未来開発経営/戦略デッサンノート(10)~
「SHINKA(伸化)戦略・未来市場への挑戦」 
                        FMIC 大岩和男・岩崎壽夫

未来開発経営の基本コンセプトは「未来は来るものではなく創るもの」です。
未来開発経営では、事業戦略革新の方向を考える視点として、SHINKAマップを活用します。SHINKAにはいくつかの種類があるのですが、基本的な視点としては、次の4視点です。
  「深化」・・コアコンピタンス深耕
  「進化」・・バリューチェーン発見
  「伸化」・・未来市場への挑戦
  「新化」・・破壊的イノベーション
前回はこの中から、「SHINKA(進化)戦略・バリューチェーンの発見」ということについて、ふれさせていただきました。今回は引き続き、「SHINKA(伸化)未来市場への挑戦」ということについて、考えてみたいと思います。

市場の研究というと、最も基本的な考え方は「マーケットセグメンテーション」です。市場を各種の属性で分割して、セグメント毎の基本戦略や選択集中を考えるアプローチです。この方法は、市場研究の基本中の基本ではありますが、どちらかといえば、既知の市場を研究する方法と言えるでしょう。

SHINKA(伸化)戦略において重視したいことは「未来市場・マーケットクリエーション」です。今はまだ「兆し」に過ぎない未来市場を展望して、ポジテイブに市場に働きかけ、市場を創造していくような発想およびアプローチです。このようなアプローチがされた3つの事例をみてみましょう。

①ホンダのCVCCエンジン開発
  1960年代半ばから、日米で大気汚染の問題が深刻化しはじめていました。ホンダでは、1966年には大気汚染対策の専門研究室をたちあげ、F1参戦も68年を最後に一時中止し、研究所の開発力すべてを大気ガス研究に集中しました。1971年から72年にかけて、完全新方式のCVCCエンジンを開発し1972年に米EPA(環境保護局)の認定をトップで取得。自動車業界に大きな影響を与えました。このプロジェクトは、単に競合他社に勝つというようなことではなく「子供たちの未来にきれいな空を」と考えたホンダ技術陣の高い志の共有と実現物語として、語り継がれてきています。“今の”市場ではなく“未来の”市場・“未来の”顧客に目を向けた革新事例と言えるでしょう。

②スズキ自動車のインド市場進出
  インド市場は現在、中国に続く巨大成長市場として注目されています。そのような中で、トップクラスの成功例として、よく取りあげられるのがスズキ自動車です。スズキ自動車は、1980年代の初めに、インドの工業省とのジョイントベンチャーをつくり、他社に先駆けてインド進出をしました。‘90年代後半までは、乗用車市場の80%くらいのシェアを持っていました。最近は、Hyundai、トヨタ、ホンダ、GM等が参入し始めたのでシェアをだんだん落としてきていますが、それでもまだ、最有力の自動車メーカーとして現地に受け入れています。独自の発想で先をみて、将来市場開発に取り組んできた好例と言えるでしょう。

③日本エイムの一括受諾サービス創造
  半導体・液晶製造に特化した業務請負の日本エイムは、創業からわずか11年のベンチャー企業でありながら、2003年にはジャスダック上場を果たしています。質の高い人材を「チームで派遣する」「工程一括受託サービス」を製造現場に提供するという、新しいビジネスモデルを考案し、主に半導体業界のものづくり革新に貢献しています。「社員一人ひとりの継続的能力開発」と「顧客企業のニーズ対応」の両面に同時に貢献するという考え方から、新しいスタイルの人材派遣市場を切り開いている、ということができるでしょう。

以上、3つの事例を見てきましたが、このような企業レベルのプロジェクトだけでなく、日々の事業活動のなかで“未来市場”に目を向ける意義は何でしょうか。一般に事業活動の中で、経営者・マネジャー・リーダーの思考時間分布をみてみると、過去:現在:未来=20%:60%:20%という傾向があります。さらに未来の20%もそのほとんどは、中期計画・技術開発・人材育成等の、どちらかと言えば内部業務に使われています。ときには、意識的にかつ集中的に、未来の市場・未来の顧客に思考や議論を振ることは結果として、日常業務に大いなる刺激を与えてくれるでしょう。

「市場は神によって創られるのではなく事業家によって創られる:
                           P.F.ドラッカー」

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◆◇◆編集後記◆◇◆

春告草が満開な木を見付けました。梅をこう呼ぶのだそうです。
FMICオフィス内の植物が、1つ2つと芽生え始めました。私達にも何か芽生えるのではないかと、楽しくなってきます。春はすぐそこにいるようです。

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